本件は、低速回転型の搾汁器、いわゆるスロージューサーの発明です。
以下に、その公開公報のフロントページの一部、及び、第1クレームを掲載し、公開公報を添付します。
ところが、その第1クレームは、様々な限定的記載を含んでいるため、権利行使の際に問題がありそうです。
この発明を最大限保護するための、広いクレームを提案してください。
【請求項1】
上部一側に投入口が貫通形成され、内部中央に回転軸孔が形成される蓋と、前記蓋の下部に設けられ、底部には案内段が形成され、外部下端部には滓排出口と汁排 出口とが離隔して形成され、中央下端部に貫通孔を持つ防水円筒が形成され、前記防水円筒の下部縁に圧力排出路が形成されるハウジングと、上部には前記回転軸孔に回転可能に挿入される上部回転軸が形成され、外面にはスクリュー螺旋が複数形成され、下端には上記圧力排出路に挿入されて回転する複数のスクリュ ーギヤが形成された内部リングが下方に突出形成され、前記内部リング内側に前記防水円筒が挿入される下部空間が設けられ、下部中心には角形軸孔が形成された下部回転軸を備えたスクリューと、外壁は、前記汁排出口へ汁を排出させるべく、網構造からなり、内部面には垂直方向に複数の壁面刃が備えられ、前記案内段に挿入されるように形成された網ドラムと、前記ハウジングと前記網ドラムとの間に装着されて回転しながら、前記網ドラムと前記ハウジングとを連続的に掃き出すブラシ付のブラシホルダーを備えた回転ブラシと、前記防水円筒の貫通孔を介して前記角形軸孔に挿入される角形軸が備えられ、前記スクリューを低速に回転させる駆動部と、を含めて、前記スクリューを収容するハウジングが前記駆動部の上側に垂直に固定され、投入口に 挿入された材料を圧着及び粉砕すると共に搾汁しながら滓を排出することを特徴とする搾汁ジューサー。
本件発明の搾汁装置のオリジナルクレームに代えて、以下の請求項A及び請求項Bを提案します。
【請求項A】
ハウジングと、前記ハウジングに収容された、切断粉砕用刃部を有する円筒体及び前記切断粉砕用刃部に食品を圧接させつつ移送する凸状螺旋部を有する回転体と、前記食品から分離される搾汁を回収して排出する搾汁排出路と、前記食品の搾滓を案内して排出する搾滓排出路と、を有する搾汁装置。
【解説】
請求項Aは、搾汁原理そのものを権利化することを意図したクレームです。いずれが内側でいずれが外側かの記載も、円筒体、回転体を収容する容器についての記載もありません。でも、そもそも、このような構成の先行技術はありませんので、十分、特許される可能性があります。
【請求項B】
ハウジングと、前記ハウジングに収容され、内面に切断粉砕用刃部を有する円筒体と、前記円筒体に収容され、前記切断粉砕用刃部に食品を圧接させつつ下方に移送する凸状螺旋部を有する回転体と、移送過程で粉砕され、前記食品から分離される搾汁を回収して排出する搾汁排出路と、凸状螺旋部により移送される前記食品の搾滓を案内して排出する搾滓排出路と、を有する搾汁装置。
【解説】
請求項Bは、スロージューサーの分離の基本的挙動を入れつつ、筒状ドラムと回転体とのいずれが内側外側なのか、を明確にしたクレームです。
このクレームは、発明の特徴とするが明確で、請求項1より具体的ですから、高い確率で特許されます。
そこで、上記請求項Aと、請求項Bとを、一出願の中で併存させる(特許法36条5項)、又は、上記請求項Bを先行させ、その審査経過をみた後に、補正・分割等により請求項Aの権利化を図るのがよいでしょう。
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